中小企業の金融取引が電子化へ、2025年度に紙の手形・小切手発行終了へ

2025年度中に、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行の3メガバンクが紙の約束手形や小切手の発行を終了します。この動きにより、企業間の代金決済手段が電子取引へと移行し、中小企業の金融取引が効率化される見込みです。

背景と現状の課題

約束手形は、将来の支払いを約束する有価証券として長年にわたり企業間取引で利用されてきました。しかし、紙の媒体に依存することによる決済の遅延やリスクが問題視されています。現時点で3メガバンクは既存の当座預金口座保有者向けの手形・小切手の発行を取りやめ、決済も2026年9月末で終了する予定です。

電子化によるメリット

電子記録債権などの電子取引は、インターネットバンキングを利用した振込や自動送金による代金決済を可能にし、紙の手形のように譲渡や融資の担保としての利用もできます。また、電子化により紛失や盗難のリスクがなく、効率性と安全性の向上が期待されています。

今後の展望

手形・小切手の利用が減少しつつある一方、電子記録債権の利用件数は年率2割のペースで増加しています。メガバンクは中小企業に対し、電子決済への移行を促進し、安全で円滑な金融取引をサポートしていく方針です。

このような動きは、地方銀行など他の金融機関にも影響を与えると予測されており、企業の資金繰りの新たな時代が始まろうとしています。